銀閣寺と大文字山 〜 庭と森を歩く 〜 | 「森の案内人」三浦豊

森ツアーガイド

森の便り
銀閣寺と大文字山 〜 庭と森を歩く 〜
2016.10.16

先日は、楽しい1日を過ごさせて頂き、ありがとうございました。
私は造園屋で、三浦さんのツアーは今回で2回目でしたが、三浦さんの説明は樹木主観で深く掘り起こして説明して下さるので、私のような技術屋の人間にとっては、とても新鮮に感じるのです。
銀閣寺では歴史を踏まえ、足利義政の人物像を想像しながら周らせてもらい、以前に一人で行った時とは違う観点で見る事ができ、大変勉強になりました。
私も造園屋の端くれなので多少は知っているつもりでしたが、知らなかったこぼれ話が沢山聞けて本当に良かったです。
午後からの大文字山では参加者の皆さんとも段々と打ち解けていき、和気あいあいとしながら登れたのも、三浦さんのお人柄によるところもあると思います。
説明の途中でも分からない木を教え下さり、ありがとうございました。
また機会があれば参加したいと思っています。

 

 

山本

 

 

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京都に三浦豊さんという一味違った森の案内人がいると聞いたのは1年以上前のこと。気になって、一緒に滋賀県の山門(やまかど)水源の森の保全活動をしているTさんに、こんな人いるんですけど知ってますか?と話して一緒に京都の高雄での三浦さんのツアーに参加したのは去年の7月でした。参加して印象に残ったのは、木一本ずつに寄り添って、その生き方を語るというスタイル。「このアカマツは今年攻めましたね、かなり枝を伸ばして勝負に出てます。」「カエデは木漏れ日が大好きなんです。こういう場所は“彼” にとっては天国ですよ。」木の個性を翻訳するように三浦さんは解説する。それに言葉のチョイスも身近で親しみやすさを感じさせてくれる。「苔界のあこがれヒノキゴケです」「みんな大好き里山のアイドル、ミツバツツジですよ」

三浦さんは元庭師、あるとき約5年をかけて北海道から沖縄まで2000か所の森を見て歩いた。この経験がガイドの土台となっている。発売中の雑誌「ソトコト 日本の森で、起きていること」で三浦さんの記事を見つけて、久しぶりにツアーに参加することにした。

今回は銀閣寺と大文字山。三浦さんの凄いのはネタの引き出しの多さ。足利義政がどういう世相のなかで銀閣寺を創建したのか、それががいかに月を愛でるために特化しているのか。元庭師だけあって庭の石組にも話が及ぶ。なぜそこにその石がありそれがどれだけ完璧なのか。持てる知識を総動員した多面的な解説。

ツアー後半は大文字山。ここが興味深いのはエリアによって管理者が異なり、その保全方法も異なるところ。林
野庁管轄のエリアはかつてのアカマツ林を再生しようと競合する常緑広葉樹を伐採し、林床の整理・地掻きを進める。「これだけアカマツが多いのは鹿児島とここぐらいですよ」三浦さんは語る。一方その隣の「法然院森のセンター 観察の森」では一切手をいれないという対照的な保全方針。ただし両者ともシカ柵は設置してある。送り火が行われる大文字周辺は京都府の管轄、ここではシイなどの不良木(看板にそう書いてありました)を伐採・整理をすることで森林内を明るくしている。それぞれの思惑による保全方法の違いが読み取れるのが興味深い。

三浦さんは語る「シイを不良木としてしまうのもどうかと思うんです。昔の人間はその実を食べてお世話になっていたんですから。でもアカマツが多くてミツバツツジがいっぱい咲いていた、かつての景色をまた取り戻したいというのもわかるんです。本当にきれいだったそうなんです。」

2014 年の山門水源の森現地交流会で講師に招いたサントリーの山田健さんは森の整備について「これが解決策だ
と思って広々とやってしまうのはいいことではなくて、多様性を担保するには整備の方針も多様な方がいいんです。」と語っていた。キーワードはやはり多様性なのかも知れない。

三浦さんのガイドを聞きながら、自分がかかわるこの森の見方も広がった気がする。三浦さんは森の現状を説明はしてくれるが、それがいいのか、悪いのかについてのジャッジは下さない。それはその人が自分で考えて判断すればいい事だという意味なのだろう。どんな森にしていくのがいいんだろうか、自分のフィールドにその煩悶を持ち帰って保全の方向を見定めたい。

 

 

山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会 橋本 勘

 

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