大都会に残る、感動のエルムの森 | 「森の案内人」三浦豊

森の案内人 三浦豊

森の便り
大都会に残る、感動のエルムの森
2017.09.02

先日は本当に素晴らしい時間をありがとうございました。
おかげ様で木たちとも以前より仲良くなれたようで、日々のお散歩が更に楽しくなりました。

三浦さんの森への愛、長年植物園をお世話されていたいろんな方々の愛、自然の仕組みの中にある超然と存在する愛、、
たくさんの愛の循環があるのを感じ、私自身の北大植物園への愛も、北海道への愛も深まったのをしみじみ感じています

三浦さんの視点でもっともっと北海道の森をご案内いただけたら嬉しいです
いつか私もそんな場を設けることができたらと思っています
どうぞよろしくお願いしますね

 

ゆうこ

 

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三浦豊さんの『木のみかた』を拝読し感銘をうけました。森の案内開催日を調べたところ、ちょうど北海道出張にあわせてエルムの森の探索があり、渡りに船とばかり参加しました。

三浦さんの案内は、言葉にできない魅力と感動がありました。

これまでぼんやりと見ていた自分の木の見方が、ほんのわずかな時間の案内だけでも、大きく変わったのは驚きです。

入口付近に松が何本か生えており、わたしがあてずっぽうで、あのアカマツは自生でしょう!というと、イヤ、ちがいますと、話したくてたまらないウズウズした顔をされました。

そのアカマツは松ぼっくりをたくさんつけていました。一つの枝に数十個あるのではないか、木全体では数百あるのではないかと思いました。見るからに細く若い木なのですが、その木が松ぼっくりをたくさんつけるのは、もう寿命が近づいていることを木が悟っているからだと三浦さんは言います。

人が植えたものだと、木が土地となじめず、衰弱しやすいのだそうです。狂い咲くような松ぼっくりの花かごを見ていると、「わたしはここにいる」という木の主張が聞こえてくるようで、白鳥の歌を聴くようなとても切ない気持ちになりました。

それから、エゾマツやトドマツ、イチョウ、メタセコイア、イチイ、エルムなどを道に沿って紹介いただきました。

エゾマツは緑の葉をつけたまま雪の重さと凍結に耐え、早春に他の木々に先駆けて光合成を始めるそうです。

トドマツは鉛筆のようにまっすぐに細長い枝が印象的で、光をピンポイントで探し、光があたらない枝は遠慮なく枯らして落とします。その幹と枝のまっすぐさを見ると、パイン材の木目について深く納得しました。

イチョウは秋が深まると葉緑体を幹の中に回収するため、葉が黄色くなるそうです。

どの木々も、「世界との付き合い方」や「独自のお作法」があるのだなと感心するとともに、巨木に対して、偉人に接するような身の引き締まる思いがしました。木の言葉を聞けるなら、多くの知恵を教えてもらえるのだろうなと思いました。

その他にも、絶滅した動物のはく製を収蔵した博物館や、原生林などみどころ満点でした。

単なる知識にとどまらない、木との向き合い方を教えてもらいました。

とても素晴らしい体験をありがとうございます。

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